
カナダで働く駐在員の1週間に密着!
日本国内の社員のうち、海外駐在員として各国で活躍する社員は86名(2025年10月現在)います。日本で行われる海外赴任者向けの事前研修で知識・スキルを習得した社員が海外赴任しており、海外でもミウラのボイラを普及すべく、活躍を続けています。
今回の記事では、ミウラカナダの中川さんに、海外駐在員のリアルな1週間を紹介していただきます。
プロフィール
なかがわ ともき中川 智貴
NAKAGAWA Tomoki
カナダ支援係 主任/2015年入社
愛媛県松山市出身 。
入社後、フィールドエンジニア(以下、FE)として横浜支店へ配属。入社当時から海外勤務に興味を持っており、社内研修「グローバルタレントスクール研修」を受講。
希望が叶い、2024年2月からミウラカナダへ出向中。
週末家族(妻、長女5歳、次女3歳、三女1歳)でドライブするのが楽しみ。ニックネームはTom(トム)。
ミウラカナダってどんな会社?
まずは私の勤めるミウラカナダを紹介します。トロントから南西に100kmほどのブラントフォードに本社・工場を構える、社員数70名程度(うち駐在員は4名)の小さな会社です。1987年にミウラグループの創業者・三浦保がはじめて北米に展開したのがここカナダで、カナダ国内では約1,200台(2025年現在)のミウラのボイラが使われています。

私は、2024年4月に「メンテナンスマネージャ」としてカナダへ赴任しました。海外駐在員として約1年経過した私が、どのような日々を過ごしているのか、ある一週間をご紹介したいと思います。

駐在員TOMの1週間をのぞいてみよう!

MON
月曜日の朝は、現地FEの皆さんとのウェブミーティング で一週間が始まります。
彼らは一人当たり50台ほどのボイラの点検・メンテナンスを担当しており、日本と同じく訪問計画を立てて仕事をしています。ご自身の仕事にこだわりを持つ、プロ意識の高い方々の集まりで、英語での説明となると工夫と丁寧さが求められ、毎回いい刺激をもらっています。
TUE
今日はメンテナンス契約更新のため、パスタやタコスを製造するA社に行きました。
先日、お客様の水管理が原因でエコノマイザが故障してしまい、修理対応を行いました。今回は水処理の重要さを伝えつつ、缶体保証付きのメンテナンス契約を締結していただく提案を行いました。海外赴任1年目で、ドキドキハラハラ冷や汗をかきながらも一人で客先を訪問し、交渉に臨んでいます。
午後は工場でリーダーシップミーティングがありました。会議はマネージャー以上が集まって毎月行うもので、私はメンテナンスのマンスリーレポートをもとに報告します。当然英語です。営業担当副社長 Rakeshからいろいろと現場での課題を突き付けられて白熱した議論になりました。
会議後は、先ほどのメンバーと懇親会へ。リーダーの皆さんはとてもチームワークが良く、Rakeshとも和やかで楽しい時間を過ごしました。会場は、歴代のミウラ駐在員にも人気の高い中華料理店で、私もお気に入りのお店のひとつです。

WED
月初めには棚卸があります。この日は、トロント近郊にある営業・メンテナンス拠点「トロントオフィス」にFE全員が集まるため、定例のランチ会を催します。
午後はFEの皆さん向けに、ミウラオンラインメンテナンス(以下MOM※)に関するディスカッションとトレーニングを実施しました。残念ながら、カナダではMOMがあまり有効活用されていないため、今年は接続数を増やす取り組みに力を入れています。活動の一環として、契約ユーザーにインターネットMOMを無償で導入するキャンペーンを始めており、今回はその内容に関するトレーニングです。
※ボイラや関連機器の遠隔監視・保守管理を行うオンラインシステム


THU
この日は出張で、先日納入したボイラ(LX150 ×2台)の試運転に同行しました。移動距離はなんと、片道4時間…!
訪問したB社はリネン工場で、既設ボイラの入れ替え案件でしたが、お客様側の工事に不備があり、説明して改善してもらうのに苦労しました。試運転は順調に進み、お客様にも満足していただきました。
カナダではライセンスがないと一人でボイラをメンテナンスすることができないため、基本的にはローカル社員のFEと同行してサポートするというスタイルです。


FRI
この日は、毎月実施しているメンテナンス月例会議の日でした。
これは私+バックオフィスのメンバー+都合があえば社長のTateも参加します。ここでは、点検・採水・契約更新・MOM・残案件などの進捗確認や、現在抱えている課題の解決策を話し合います。今年度は
バックオフィスの重要性を見直し、顧客満足を向上したいと考えています。
午後は、飲料メーカーのC社へ。今週発覚したEXボイラのウインドボックス断熱材落下に対する補修の相談に行きました。お客様7~8名が出席するプレッシャーのかかる会議でしたが、営業副部長のRakeshと一緒に土曜日の補修作業の合意を取ることができました。

SAT
そういうことで、今週はイレギュラーで土曜日出勤となりました。
昨日訪問したC社のウインドボックスをミウラカナダの工場で補修してもらい、現場に持ち運び、日頃からお世話になっている工事業者とともに取り付けました。 無事にボイラを運転再開でき、お客様の生産への影響を最小限にとどめることができました。こうした対応にご満足いただいたお客様から、ボイラ増設に関する見積依頼をいただきました。
緊急対応してくれた営業さん、FEの皆さん、工場の皆さん、工事業者さん、みんなありがとう!

SUN
今日は仕事はお休みです。家族で出かけます。
トロントは子ども向けの公園が多く、夏になるとたくさんの子どもが遊んでいます。夏はスプラッシュパッドと呼ばれる水遊びのエリアがあり、子どもに大人気です。時間がある時は車で片道1~2時間ドライブしてカナダの風景を楽しみます。
トロントは北海道に近い緯度にあり、日本と比べると、冬が長く厳しく、夏は短く快適です。夏と冬で雰囲気が全く異なり、飽きません。


1週間を振り返って
このように、私は海外駐在員として色々な経験ができています。日本だと当たり前のことがカナダではできていなかったり、日本では当たり前になっている便利なシステムが、カナダにはまだ普及していなかったりします。それをどのように運用・改善していくか現地社員と打ち合わせながら物事を進めるため、簡単ではありません。当たり前のことですが、何かを伝えようとすると現地の言葉である英語で伝えないと理解してもらえません。
しかし、こうした努力が形になった時の達成感はとても大きいです。日本ではできない経験がたくさんできるので、毎日が刺激的で自分自身の成長をより強く感じることができます。こうした経験を味わってみたい人には海外勤務は特におすすめです!
ミウラカナダの仲間からTomへの称賛メッセージ!
いかがでしたか?
日々の業務に真摯に向き合い、現地の仲間とともに課題解決に挑むTomさん。
その姿勢は、ミウラカナダの社員にも大きな刺激と信頼を与えています。
最後に、現地で共に働くアシマ・カプール氏からいただいた、Tomさんへの称賛のメッセージをご紹介します。

Dear Tom,
Tom joined the Miura Canada Service and Maintenance team in April 2024. Since then, he has been at the forefront of delivering results in one of our most challenging departments. Coming from a different work environment—and adjusting to life in a new country—he has adapted remarkably well. Whether it’s resolving customer concerns, attending service calls, or streamlining daily operations, Tom’s calm and confident approach—combined with his ability to stay grounded under pressure—continues to make a lasting impact.
Since joining, he has also played a pivotal role in launching the MOM Centre at Miura Canada. His in-depth knowledge of boilers and his ability to stay composed and solution-oriented during difficult situations truly make him stand out.
Tom is a natural problem-solver, a thoughtful listener who brings both strategic thinking and compassion to the table. Despite long hours, logistical challenges, and unpredictable circumstances, he remains focused on building a positive, high-performing workplace.
Outside of work, Tom is a dedicated family man with young children. Moving to a new country while taking on a demanding role is no small challenge, yet Tom continues to balance both professional and personal responsibilities with humility, resilience, and grace.
Ashima Kapur, Assistant Manager, Maintenance Department
日本語訳
トムへ
トムは2024年4月にミウラカナダのサービスおよびメンテナンスチームに加わりました。それ以来、彼は当社の最も困難な部門の1つで成果を上げる最前線に立っています。異なる職場環境からやってきて、新しい国での生活にも順応しながらも、彼は驚くほどスムーズに適応しました。顧客の懸念への対応、サービスコールへの対応、日々の業務の効率化など、トムの冷静で自信に満ちたアプローチは、プレッシャーの中でも冷静さを保つ能力と相まって、今もなお、大きな影響を与え続けています。
入社以来、彼はミウラカナダのMOMセンターの立ち上げにおいても重要な役割を果たしました。ボイラに関する深い知識と、困難な状況においても冷静さを保ち、解決策を見出す能力は、彼を真に際立たせています。
トムは生まれながらの問題解決能力を持ち、思慮深く耳を傾け、戦略的思考と思いやりの両方を持ち合わせています。長時間労働、ロジスティクス上の課題、そして予測不可能な状況にも関わらず、彼は常に前向きで高業績の職場環境の構築に注力しています。
仕事以外では、トムは幼い子どもたちを育てる献身的な家族人です。新しい国に移住し、多忙な職務を担うのは容易なことではありませんが、トムは謙虚さ、粘り強さ、そして優雅さをもって、仕事と私生活の両方の責任をバランスよく果たし続けています。
メンテナンス部門アシスタントマネージャー アシマ・カプール より
これからも、世界の現場で活躍する社員の姿をお届けしていきます。お楽しみに!