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ミウラとコト

育休のほんね vol.1 ~“休み”ではなかった24時間~

育児休業(以下、育休)の取得は、ここ数年で少しずつ広がりを見せ、制度としての認知も進んできました。企業としても働き方の見直しが求められる中で、「取得しやすい環境づくり」は重要なテーマの一つになっています。
一方で、実際の育休がどのような時間なのかについては、まだ十分に共有されているとは言えません。「休み」という言葉からイメージするものと現実との間には、少なからずギャップがあるようです。
今回は、三浦工業で育休を取得した一人の社員にインタビュー。取得を決断した背景から、慌ただしくも濃密だった日々、そして育休を終えた今、感じている変化まで。そのリアルな声を通して、「休みではなかった24時間」を紐解きます。

お話を聞いたパパ社員

たなか きょうすけ田中 恭介さん

TANAKA Kyosuke

2019年入社
名古屋支店メンテナンス4課
テクノ名古屋メンテ 主任

プロフィール

福岡県出身。2019年に中途採用で三浦工業に入社し、現在はテクノ名古屋メンテでフィールドエンジニア(以下、FE)として、医療機器・食品工場内の機器のメンテナンスを行う。
今年 33歳。2025年10月に第一子(長女)が生まれ、2025年12月中旬~2026年1月末まで(年末年始休暇を含む)の約1か月半にわたり育休を取得した。

田中 恭介さん

予定外の育休、その先で見えたもの

編集部/
10月にお子さんが生まれ、12月中旬から1月いっぱいまで育休を取得されたそうですね。取得のきっかけを教えてください!

田中さん/
実は、元々取得するつもりはあまりなかったんです。妻は専業主婦で、出産後すぐの1か月ほどは、関西に住む義母が仕事を休んで名古屋まで来てくれて、一緒に暮らしながら手伝ってくれていました。
ただ、1か月ほどで義母が戻ることになり、夜泣きを中心に想像以上に大変で。このままでは厳しいと感じて、直前ではありましたが職場に相談し、育休を取得しました。最初の3か月が特に大変だろうということと、業務的にも1月は比較的落ち着く時期だったので、そのタイミングで期間を決めました。

編集部/
取得前は、育休中の生活についてどんなイメージを持っていましたか?

田中さん/
正直、どこかで「仕事よりは楽だろう」と思っていた部分はありましたね。でも、その考えは甘かったです。一番きつかったのは、やっぱり“寝られない”こと。思っていた以上に眠れなくて、気づけば一日があっという間に過ぎていく。やりたいこともなかなかできない、そんな感覚でした。

田中さんの育休、24時間の過ごし方

編集部/
育休の期間が始まり、家ではどんな一日を過ごしていましたか?

田中さん/
午前中は、寝るか起きるかという感じで、ゆっくりスタートする日が多かったですね。朝食と昼食はほぼ兼用で、14時頃までに食べていました。
午後は、子どもも元気なので一緒に遊んだり、30分でも外に連れ出したりするようにしていました。近所を散歩したり、買い物に行ったり、妻がひとりで休める時間を作ることも大事にしていましたね。子どもが寝ている間に、掃除や家事を進めて、泣いたときやミルクの時間が来たらまた対応する。その繰り返しでした。
お風呂は18時までに入れるようにして、夕食は20〜21時頃。その後、21〜22時には寝かしつけていました。1月に入ると子どもも5〜6時間まとまって寝てくれるようになって、少しずつ自分の睡眠時間も確保できるようになりました。
お世話の基本は、おむつ交換とミルク。ミルクは3時間おきなので、そのサイクルに合わせて動いていました。夜中も一度は起きて交代で世話をしていましたが、母乳は妻しかあげられないので、どうしても妻の負担は大きい。だからこそ、日中は妻に少しでも寝てもらえるように意識していました。

編集部/
家事の分担はどうしていましたか?

田中さん/
最初は妻も体力的に家事が思うようにできない状態だったので、できる限り自分がご飯を作るようにしていました。お風呂も担当していましたが、そこは二人で協力しないと難しくて、分担というより一緒にやるイメージでしたね。妻も体力的に慣れてくると、「ご飯は自分がやりたい」という感じで、やってくれるようになりました。

編集部/
分担について、あらかじめ話し合いをしていたのですか?

田中さん/
特に分担は決めていません。「できる方がやる」という感じでした。でも、普段やっていなかったご飯作りには苦労しましたね。買い物も何を買えばいいか分からず、最初は妻に聞きながら。他の家事も、妻がやっていたことを真似て、とにかくやるという感じでした。

編集部/
育児・家事の中で、特に一番大変だったことはありますか?

田中さん/
やっぱり圧倒的に夜中のお世話ですね。ただただ眠くて仕方がなかったです。トータルで4~5時間くらいは寝られていたと思うんですが、それでもきつかったです。
夫婦で揉めたことも結構ありましたね。小さなことですけど、例えばミルクを冷やすときに水や氷を使っていたら「もったいない」と言われて、保冷剤に変えたり…。

編集部/
大変な中だと、ぶつかることもありますよね。そうした日々を経て、復帰前後で何か変化はありましたか?

田中さん/
1月に入ってからは、復帰も見据えて朝8時には動くように意識していました。あとは午前中動かないと、一日があっという間に終わってしまう感覚があって、時間を有効に使うためにも心掛けていました。
復帰してからは、働き方の意識も変わりました。残業はほどほどに、早く帰りたいと思うようになりましたね。やはり育休を取ったことによって、子どもも自分に慣れてくれて。最初はおむつ替え一つにしても大泣きだったんですけど、育休期間を経て子育てがしやすくなった実感があります。逆に哺乳瓶を拒否するようになったり、大変になったこともあるので一概には言えないですが…。

育休を終えて、そしてこれから

編集部/
育休を取ったことによる、職場の反応はどうでしたか?

田中さん/
もちろん悪い反応をする人はいませんでした。自分の所属部署では育休取得の前例がなかったこともあって、上司からは「後に続く人が取りやすくなった」と言ってもらえました。
取得する際は、最初こそ戸惑いもあったと思いますが、社会的な背景もあって「どんどん取ってほしい」という空気で送り出してもらえたと感じています。

編集部/
業務の引き継ぎなど仕事面で大変だったことはありましたか?

田中さん/
特に大きな負担はありませんでした。事務的な部分はオフィススタッフの方がフォローしてくれて助かりましたし、一部の業務では必要最低限の連絡を取ることもありましたが、大きな支障はなかったです。
時期的に12月~1月が一年で一番仕事が落ち着いているタイミングだったこともあり、当時は副主任という立場ではありましたが、特別に誰かが補助に入るようなこともありませんでした。ただ、復帰直後は朝がやはりきつかったですね。

編集部/
給与面での不安はありましたか?

田中さん/
元々育休を取るつもりがなかったこともあり、給付金(※1)などについてはあまり理解しないまま取得しました。貯蓄もあったので、1カ月ほどは大丈夫だろうという感覚でしたね。

※1:育児休業給付金(1歳未満の子どもを育てるために育児休業を取得した場合、一定条件を満たすと休業前の給与の67%が支給される制度)

編集部/
もしお金の不安があった場合でも、奥さんは取得を勧めたと思いますか?

田中さん/
勧めたと思います。お金の問題ではなかったと思いますね。

編集部/
今後、もう一度育休を申請するとしたら?

田中さん/
今回と同じように、1〜3か月くらいの時期で取りたいと思います。あまり長くなると、復帰も大変になると感じたので。

編集部/
実際に取ってみて、率直な感想は?

田中さん/
一番大変な時期にそばで支えられた、協力できたという点で、取ってよかったと思います。もし妻一人に任せていたらどうなっていたのか…と考えることもありますね。妻としては「(育児や家事などを)もっとやってほしい」と感じていた部分もあると思うのですが、最初は自分が仕事を休めないと思っていたみたいで、「取ってくれてありがとう」と言ってもらえたのは印象に残っています。

編集部/
これから育休取得を検討する人に伝えたいことは?

田中さん/
最初の3か月は特に大変なので、その時期は取ったほうがいいと思います。自分が想像していた以上に大変でしたし、実際は妻の方がもっと大変だったと思います。「休み」という感覚とはまったく違う。そのギャップは大きかったですね。

まとめ

「休み」という言葉からは想像できない、慌ただしくも濃密な時間。今回の田中さんの予定になかった育休の中で見えてきたのは、仕事とはまた違う責任と、家族と向き合う日々のリアルでした。最初の数か月は、想像以上に大変で、思い通りにいかないことの連続。それでも、その時間をともに過ごしたからこそ生まれる変化や実感があることも、今回のインタビューから伝わってきます。
育休は「休み」ではなく、新しい生活に向き合うための時間。その24時間の積み重ねが、これからの働き方や家族との関係にも、少しずつ影響を与えていくのかもしれません。

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