「隙あらば仕事を辞めたいと思っていますよ」(笑)、勤続24年のベテランフィールドエンジニアが本音で語る、仕事の魅力とは。
お話を聞いたフィールドエンジニア
よしかわ ひろし
吉川 弘
四日市メンテナンス課 課長
プロフィール
岐阜県高山市出身。四日市支店勤務。
富山高等専門学校卒業後、1998年入社。FE歴24年。
プライベートでは、中日ドラゴンズのファンで、3児の父親。
入社の動機は飛行機に乗れるかも?!それから24年、三浦工業一筋です
編集部(Watanabe以下、W):本日はよろしくお願いします!ベテランのFEの生の声を聞ける機会をいただき、とても嬉しいです。
さっそくですが、入社の動機が飛行機に乗れるかも!?ってどういうことですか?
吉川さん: 三浦工業(以下、ミウラ)は当時、周りの人が誰も知らない会社だったので、どんな会社なのかよく分からなかったのですが、自分の性格的に一つの工場にずっと勤務するよりはお客様先の工場を回る仕事の方が向いているなと思ったんです。
あとは、それまで飛行機に乗ったことがなくて、面接までの交通費を会社側が負担してくれるとあったので、「富山から愛媛に行くなら飛行機に乗れるに違いない!」そう思ったことが入社面接を受けるきっかけになりましたね。
編集部(W):それは、ミウラが愛媛という土地でよかったです!!(笑)
正直、僕らの仕事はきついですよ
編集部(W):吉川さんが思う、FEの仕事のやりがいや大変さを教えていただけますか?
吉川さん:FEの主な仕事は、ミウラの製品を利用しているお客様先に訪問して、製品が問題なく稼動しているか定期点検を行ったり、異常時には突発修理に伺ったりします。
『24時間365日お客様をサポートする』という点で安心をお届けしています。
僕はミウラしか知らないから、他と比べることはできないのですが、世の中の人は、こんなにしんどい思いをして働いているのかなって思う時がありますね。
暑くて汗だくで汚れるし、そして忙しい。激務です。
また、お客様との距離が近い分、直接、感謝の言葉をいただいた時はもちろんやりがいを感じますが、近いからこそ大変なことも多々あります。
ボイラが止まってしまったら工場が止まりますよね。これは、生産が止まってしまうということなので、そんな時の現場ってびっくりするほどピリッピリッなんです。
お叱りもいただきますし、クレームに関してもお客様との距離が近いからこそ厳しいものがあります。
自分が担当したボイラの異常を聞くと、それだけで朝から胃がキュッとしちゃいます。
編集部(W):やはり、大変なお仕事なのですね。
今の自分を助けるのは過去の自分、今頑張るのは未来の自分のため
編集部(W):吉川さんは、どのようにしてそのストレスやプレッシャーを解消しているのでしょうか?
吉川さん:まず、トラブルを解決した経験が重なることで、プレッシャーに強くなっていきます。
「今の自分を助けるのは過去の自分、今頑張るのは未来の自分のため」という言葉を聞いたことがありますが、その通りだと思っています。
経験を重ねることでプレッシャーにも慣れていきますしね。それに、僕はメンバーに恵まれています。
機械だから故障は起きますし、その故障した機械をたまたま担当しているだけのことなので、お互いにフォローし合いながら、誰かを責めるわけでもなく、しんどい時はメンバーで飲みに行ったりしながらうまくストレスを解消しています。
ただ、この2~3年はコロナウイルスの影響でなかなか行けていません。
編集部(W):確かに、コロナウイルスでコミュニケーションが取りにくくなったところってありますよね。
お客様との会話の中で改めて感じたFEの仕事の魅力
編集部(W):ミウラに20年以上勤務している吉川さんですが、お客様からいただいた忘れられない言葉ってありますか?
吉川さん:たくさんありますが、特に心に残っている言葉があります。
お客様の工場の機械を更新する時の話なのですが、機械を更新する時って、一旦、FEの手から離れて営業さんの仕事になるんです。
僕が担当していたお客様の工場でも大掛かりな更新があり、東京から営業さんが入れ替わり立ち替わり来て、準備を進めていました。
そんな時、お客様から、時間を作って更新について説明をしてほしいとお願いされ、直接、その時の更新について説明させていただきました。
その時、「吉川さんの説明がどうして分かりやすいのか分かった!吉川さんはうちの工場をよく知っているからよ」と言っていただいたことがあったんです。
つまり、機械の詳しい説明は他から来た営業さんでもできる。でも、その機械を自分たちの工場に落とし込んで細かく説明をする、となった時が僕たちFEの力の見せ所なんです。
日々、工場に通いお客様とコミュニケーションをとって、機械のメンテナンスをしているからこそ伝えられる言葉があるんです。
編集部(W):なるほど、お客様よりも工場設備に詳しくて頼りになる存在ということですね。
吉川さん:この言葉をいただいた時、「これがFEの仕事の魅力なんだな」って思いましたね。
30代前半で、自分の仕事をこなすだけではなく、部下ができて責任も出てきて、その分やる気も出ますが一番大変な時期だったので、この言葉は嬉しかったですね。
自分の仕事を肯定してくれる言葉をいいタイミングでいただけました。そして改めてFEの仕事の面白さややりがいを実感しました。
「これ以上は無理」。本当に辞めたいと思ったとき
編集部(W):20年以上も勤務されている吉川さんですが、「辞めたい」と思ったタイミングはあるのでしょうか?
吉川さん:仕事はきついし、隙があれば辞めたいと思ってますよ(笑)。
でも本当に真剣に考えたのは入社して十数年、結婚して数年たった頃です。
その頃は本当に激務で、夜中の12時過ぎに仕事が終わるのは当たり前、家族で出掛けていても、お客様の対応に追われてしまい、出かけ先から電話で話す、ということがずっと続いて、家族の揉め事にもなっていました。
この時はさすがにこれ以上働くのは無理かなって思いましたね。
編集部(W):「もう無理かも、辞めよう」と思ったものの、実際に辞めずに、思い留まった理由はどうしてでしょうか?
吉川さん:自分でも、はっきりしないのですが、今改めて振り返ってみると辞めようと思う気持ちを上回る程、もう少し頑張ろうと思える事があったからだと思います。
辛くてしんどい仕事ほど終わった時の達成感は大きいですし、お客様が喜んでいる顔を見るのは、何ものにも代えがたいほど嬉しいものです。
でもやっぱり家族もいて、当時は子どもも小さかったですし、収入面のことは踏みとどまった理由としては大きいですね。
編集部(W):なるほど。お客様や家族の存在が大きかったのですね。
吉川さん:はい。あと、先ほども話しましたが、僕は拠点のメンバーに恵まれていて、みんなでソフトボールをしたり、飲みに行ったりしながら楽しく息抜きできていました。
逆に今思えば、あんなに忙しかったのに、よくあれだけ飲みに行けてたな〜って思うほどですよ(笑)
編集部(W):当時、同じ境遇の仲間と、辛さを分散させられるような息抜きの場が多々あったのですね。
今、時代が少しずつ変化していますが自分たちで働きやすいように行動されていることはありますか?
吉川さん:今は、異動したばかりで、なかなか取り組めてないのですが、
休みのメンバーがお客様と電話対応することがないように、休みの人をちゃんと休ませてあげられる仕組みを作りたいと思っています。
仕事がないときはフレックスを上手く活用したり、夜中や休日に仕事があったときは、平日が休みになるので、それをメリットと捉えられるようになることが大事だと思います。
会社がなんとかしてくれるのを待つだけではなく、営業所ごとに工夫していくことが大事なのではないでしょうか。
編集部(watanabe):今回の取材でFEの仕事の大変さとやりがい、そして厳しい職場環境の中でも吉川さんが仕事を前向きに捉えられていることがわかりました。
吉川さん:単純かもしれませんが、お客様には製造工場が多いので、
「ここの人気商品は俺のメンテナンスで成り立っている!」なんて思うと、ちょっと嬉しいじゃないですか。
きついことがあっても嬉しいことも毎日の仕事の中に散らばっているし、
その嬉しいことに目を向けながら仕事をしています。