運転時のCO2排出量はゼロ!ミウラの水素ボイラ、とことん教えます!
ミウラのウラを伝えるミウラplusならではの目線でやさしくお伝えします。
※本記事の内容は、2023年7月取材当時の内容です。製品情報等、最新の内容と異なる場合がございます。ご了承ください。
なお、最新情報は弊社ウェブサイトよりご確認ください。
水素エネルギーが注目される理由とは?
水素エネルギーが注目される理由とは?
水素には、エネルギー源として重宝されるべき特長が、大きく2つあります。
(1) 環境にやさしい
水素は燃焼時に二酸化炭素を排出しません。燃料として利用した場合に排出されるのは水だけです。
二酸化炭素が排出されない、それはつまり、地球温暖化をはじめとする、さまざまな環境問題を解決する手がかりとして重要であることは、言うまでもありません。
(2) さまざまな資源からつくることができる
水を電気分解すると水素が発生することは、よく知られていますが、
それ以外にも、化石燃料(石油・天然ガスなど)、アルコール(メタノール・エタノールなど)のほか、廃プラスチックや下水汚泥のように、捨てられていく資源など、さまざまなものを材料としてつくりだすこともできます。そのため、「限りない資源」に近いと言われています。
水素ボイラを導入すると、CO2削減量はどれくらい?
それでは、水素ボイラを導入すると、どれくらいの環境に対するメリットがあるのでしょうか。
容量2000[kg/h]クラスの都市ガスボイラを1年中稼動させているお客様が、ミウラの販売する同容量の水素ボイラへ入れ替えを行った場合、で考えてみます。
実はミウラの水素燃焼ボイラは、日本初の100%水素燃焼が可能な製品なんです。
つまり、燃焼時のCO2排出はゼロ!これまで排出していたCO2量がそのままCO2削減量となります。
その削減量、なんと年間2,200トン!!(※1)
では、二酸化炭素2,200トンって、どれくらいなのか想像つきますか?
これは、およそ250,000本の樹木が吸収する二酸化炭素の量にあたります。(※2)
水素ボイラ1台の据え付けによって得られる効果、これはカーボンニュートラル実現を目指す現代社会で、きっと見逃せません。
※1
試算条件①
都市ガスの低位発熱量:40.6 MJ/m3、水素の低位発熱量:10.77 MJ/Nm3、ボイラ効率:95%、年間稼働時間:6000hr、都市ガスのCO2排出量算定係数:2.23 t-CO2/m3
※2
試算条件②
36~40年生のスギ人工林1ヘクタールが1年間に吸収する二酸化炭素を8.8トンとした場合。
1ヘクタールに植えられている36~40年生のスギ人工林の本数を700本とした場合。
ミウラの水素ボイラが選ばれている理由
実は、ミウラの水素ボイラが選ばれている理由はもうひとつあります。
それは、貫流ボイラだということ。
保有水量が少なくコンパクトな貫流ボイラには、次のようなメリットがあります。
● 高いエネルギー効率が得られます
● 短時間での立ち上げが可能
● 複数台を組み合わせていただくことで、負荷に合わせた運転が可能
● 広い設置スペースを必要としません
ミウラがこれまでご提供してきた貫流ボイラと同等の性能をご提供いたします。
ミウラの水素ボイラは安全、そして環境に優しい製品です
それでは、ミウラの水素ボイラの製品仕様についてご紹介しましょう。
◆安全にお使いいただける2つの特長
水素は、都市ガスと比べ、燃焼範囲が広く、また燃焼速度が速いという特性があり、その取り扱いには注意が必要。
でもミウラの水素ボイラなら安全にお使いいただけます。
フレームアレスタを標準装備
水素は都市ガスと比べ、燃焼速度が約7倍速く燃えます。(※3)
そのため、火炎がガスの供給側へ戻ってしまう(逆火する)という現象が起こりやすくなります。
そこで、万一の逆火の恐れを防ぐため、逆火防止装置(フレームアレスタ)を標準装備しました。
ミウラが採用したのは波板構造型。金属の平板と波板を組み合わせた構造で、金属が通過しようとする火炎の熱を奪うことで、火を消し、逆火を防ぐ仕組みです。この構造は他の構造よりも火炎の熱を奪いやすく、消炎しやすいものとなっています。
※3
一財)省エネルギーセンター 「ガス燃焼の理論と実際」 より、13A 39cm/s、水素 282cm/sとして算出。
条件(圧力や空気比など)により、燃焼速度は変わります。
窒素パージで残留水素を除去
都市ガス(メタン)は空気中に4~15%満たされているときに燃焼が可能な気体です。それに対し、水素は4~75%と燃焼可能濃度範囲が非常に広い気体です。
それはつまり、運転停止後の燃料配管に水素が残されたままだと、炉内の空気と混ざって、予期せぬ爆発が起こる可能性があるということ・・・。
でもミウラの水素ボイラなら大丈夫。運転停止時に燃料配管に窒素を流し、残った水素をきちんと除去する仕組みを取り入れています。
◆環境にも配慮しています
水素は、天然ガスやA重油と比べて燃料時の火炎温度が高く、サーマルNOxの発生量が多くなるという課題があります。
でも、ご安心ください。環境のこともきちんと配慮するのがミウラです。
窒素酸化物(NOx)の排出を抑えるバーナを開発
ミウラは低NOxバーナを自社開発!燃焼用空気の供給を工夫することで、炉内で燃焼したガスを上手く巻き込み、燃焼反応を穏やかにしています。これにより局所的な火炎の温度上昇を抑制できるようになりました。その結果、窒素酸化物の排出量を抑え、環境に優しい運転を実現することができます。
2021年5月には、NOx排出量の大幅な低減への成功が評価され、全国で初めて、東京都低NOx・低CO2小規模燃焼機器委員会に認定されました。これは、ミウラの水素ボイラが、環境規制の厳しい都市部においても設置可能ということになります。
ミウラの水素燃焼ボイラは、3つの賞を受賞しました
ミウラは日本で初めて100%水素燃焼が可能な水素燃料貫流ボイラを誕生(※4)させ、その技術、エコ社会への推進・貢献が評価され、3つの賞を受賞しています。
※4
2017年1月,三浦工業調べ
水素ボイラの活躍が期待できるシーンは?
水素は、化学工場で発生する副生水素のほか、都市ガスからの改質、海外からの輸入、再生可能エネルギーからの水電解といったさまざまな方法で入手し、水素ボイラに利用することができます。
現在、水素ボイラが活躍するシーンとして一例を挙げると、化学工場などの製品製造過程で副産物とて水素(副生水素)が発生するお客様です。
初号機をお納めさせていただいた、株式会社大阪ソーダ 岡山工場様でも、工場内で発生する水素をボイラ燃料としてお使いいただくことで、工場の燃料コスト低減、CO2排出量削減を実現されました。
また、近年大きな期待が寄せられているのが、再生可能エネルギー由来の水素利活用です。
それは、太陽光や風力など使い切れない電力を使い、水電解することで水素を得るという方法。余った電力を使い、水電解することで水素を得るのです。これにより、エネルギー自給率の向上も期待されます。そのままでは貯めておくことが難しい電気エネルギーを、水素エネルギーという新しい形に変換する方法は、再生可能エネルギーの利用先として、今後の拡大が望まれています。
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)においては、産業技術力の強化を目指し、産業競争力の基盤となる中長期的プロジェクトの実施および実用化開発・技術開発に取り組んでいます。
ミウラは、そのNEDOの助成事業の採択を受け、エネルギー需要転換・利用技術開発にかかる事業に参画。グリーン水素燃料(※5)を活用した高効率な蒸気ボイラを開発し、お客様の熱需要の脱炭素化を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に寄与しているのです。
※5
グリーン水素とは、再生可能エネルギーを使って生成された水素のこと
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次世代エネルギーとして、大きな可能性を秘めている水素。
そして、私たちの暮らしをあらゆるシーンで支えている蒸気ボイラ。
ミウラは、2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、水素を燃料としたボイラをはじめ、水素の利活用に全力で取り組みます。ぜひご注目ください!
水素燃料ボイラの詳しい情報は製品サイトから。
https://www.miuraz.co.jp/product/thermoelectric/si_ai_su.html
ミウラのカーボンニュートラルへの取り組みについて、詳しくはこちらもお読みください。
https://www.miuraz.co.jp/csr/environment/netsu-sommelier.html
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▼Modern Hydrogen社との戦略的資本提携について
https://www.miuraz.co.jp/news/newsrelease/2023/1414.php