水素には色がある?!~水素の7つの色について~
第2回は、水素の色についてです。
※本記事の内容は、2023年7月取材当時の内容です。製品情報等、最新の内容と異なる場合がございます。ご了承ください。
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水素(H2)は本来無色の気体、ですが…
水素(H2)は本来無色の気体ですが、カーボンニュートラルという視点で語る場合に、色別に呼ぶことがあります。
たとえば、「グリーン水素」という言葉を耳にしたことはありますか?
ミウラの水素燃料ボイラについて理解を深めるのに「グリーン水素」の知識を欠かすことはできません。
ここでは「色つきの水素」について簡単に整理してみましょう。
水素の色について
水素は、その水素が生成されるプロセスや原料・由来をはっきりさせるために色別に呼ばれます。
よく知られているのは、グレー、ブルー、グリーンの3つです。
●グレー水素
石油、天然ガスあるいは石炭といった化石資源から抽出される水素。
原料となる資源に炭素が含まれているため、水素を取り出す際に二酸化炭素(CO2)が放出されてしまいます。
つまり、水素そのものの使用時にCO2は発生しませんが、カーボンニュートラルという観点からは評価されません。
●ブルー水素
グレー水素と同じく化石資源から生成されますが、排出されるCO2を回収・貯留し、大気中のCO2を増やさないように対応できた場合には「ブルー水素」と呼ばれるようになります。
●グリーン水素
再生可能エネルギーを使って生成された水素。
生成の過程でCO2の排出がありません。
たとえば、太陽光発電もしくは風力発電で作られた電気で、水を電気分解して水素を作ると、それは「グリーン水素」ということになります。
出典:次世代エネルギー「水素」、そもそもどうやってつくる?|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)
水素は、「量」だけでなく「質」も求められ始めています。
脱炭素化を実現するためには、「グリーン水素」や「ブルー水素」のような、CO2フリーの水素を活用することがとても重要なのです。
そのような中、ミウラでは、
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の採択を受け、エネルギー需要転換・利用技術開発にかかる事業に参画。
グリーン水素燃料を活用した高効率な蒸気ボイラを開発し、お客様の熱需要の脱炭素化を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に寄与しています。
水素の「色」はほかにもあります
最近では、以下のような区別の色でも表すことも増えてきました。
CO2を排出せずに生成させる水素が、ほかにもありますので、ぜひ合わせて押さえておきましょう。
●ターコイズ水素
天然ガスの主成分であるメタンを、熱によって直接分解し、生成させた水素。
副生成物が固体の炭素なので、CO2の発生を伴いません。
グリーン水素が大量かつ安定的に製造できるまでの、現実的な水素製造技術であると考えられています。
ミウラでも、2023年に米国の Modern Hydrogen Inc. と戦略的資本提携を締結し、メタン熱分解に関する取り組みを始めています。
●ピンク水素/パープル水素
原子力発電の電力を使って、水を電気分解し、生成する水素のこと。
CO2の排出はありませんが、原子力発電について意見が分かれるという節は否めません。
(※原子炉用のウラン燃料の原料「イエローケーキ」の色にちなんでイエロー水素と呼ばれることもあるようです。)
●ホワイト水素
工場の副生水素のことを「ホワイト水素」と呼びます。
多くが製鉄所の溶鉱炉の工程で発生するものです。
現在、水素燃料ボイラの燃料として使用されているのは、ホワイト水素が主流です。
もっと詳しく!
▼Modern Hydrogen社との戦略的資本提携について
https://www.miuraz.co.jp/news/newsrelease/2023/1414.php