相手の気分を下げる「下げことば」うっかり使っていないですか?上手に伝えて、コミュ 力 アップ!
メンバー紹介
Aさん:40代・男性 / Bさん:30代・女性
Cさん:20代・女性 / Dさん:20代・男性
今回アドバイスをいただいた方のご紹介
吉原 将之さん
プロフィール
株式会社識学
事業戦略本部 本部長 上席コンサルタント
「University of Central Missouri」(セントラルミズーリ州立大学大学院)で英語教授法修士を取得。これまで「グローバル人材育成」をテーマに、国内外で教育業界に深く携わってきた。現在は独自のマネジメント理論「識学」を用いて、組織のコンサルティングを行う「株式会社 識学」の事業戦略本部 本部長を務めながら上席講師も兼任している。
Episode1: 実は怖い⁉いきなり「あなた」呼び
確かに、普段の呼び名が突然「あなた」にかわると私も“厳しい印象”を受けるかもしれません。
私は「あなた」と呼ばれたことはないですが、マイナスなイメージに感じるかもしれません。だから私は相手のことを「〇〇さん」って、名前で呼ぶようにしていますし、ミウラ内でも「さん付け運動※」を推奨していますよね。
※ミウラでは、上下関係を気にせず、自由闊達に意見交換が出来る風土をつくり、円滑な人間関係を築くために、社内において役員を含め、役職名やあだ名で呼び合うのではなく、苗字+さん(君)で呼び合う『さん(君)付け運動』を実施しています。
うーん。正直私はあまり「あなた」を下げことばだとは思わないですね。でも、考えてみたら相手と“距離感”をとりたいときや強調して伝えたい事がある時にあえて「あなた」を使うかもしれません。例えば、部下を指導するときとか。
同じく私も気にはならないですね。英語でいうと「YOU」ということですし、お名前が分からない時に代名詞を使うことはあります。名前を呼ばれないことで、傷つく人もいるのかなぁ…。
僕の周りには結構な頻度で「あなた」と呼ぶ人がいますよ。でもその人は特定の人に対してではなくほとんどの人を「あなた」と呼ぶので、あまり気にならないです。
言う人のキャラクター、タイミング、シチュエーションによって「あなた」がキツイ言葉に感じるのかもしれないですね。特に1対1での面談やシリアスな場面では冷たく感じる事があるかもしれない、、、気を付けたいですね。
言われた側が「“あなた”と呼ばれるのは嫌」と伝えられたらいいんですけどね。
上司に直接やめてほしいと言うことが難しい場合は、話しやすい人に相談して遠まわしに伝えてもらうとか、何かしらで意思表示をする方法があるといいですよね。恐らく言った側は悪気がないし、気付いていない可能性があるから…。
吉原さんからのアドバイス
「あなた」といつもと違う呼び方をしてしまうと、部下は「どんな意味があるのかな?」「どういうつもりなのかな?」と不安に感じてしまう場合もあります。上司の方は、もしかしたら、資料の提出が遅れたことに対して、伝えたいメッセージがあったのかもしれませんね。ただ、メッセージの捉え方は人それぞれで、誤解されてしまう要因です。何か伝えたいメッセージがあるなら、明確に伝えてみてはいかがでしょうか。例えば、「遅れてしまったのは仕方ないので、いつまでに提出できますか?」と期限を求めたり、「今後は期限に遅れる際は、事前に言ってくださいね」など具体的にお話したりすると、より円滑なコミュニケーションになると思います。
Episode2:過去の武勇伝でマウントをとる先輩
これはミウラに限らずどの職場でもありうる話ではないでしょうか?
”残業武勇伝”を言われてしまうと、「もっと頑張らないといけないのかな」と思っちゃいますよね。
残業の話だけではなくて、長年働いているベテラン社員になると、経験値があるがゆえに部下に自分の経験を基にアドバイスしたくなるんですよね。私もどちらかと言うとベテランの域に入るので、武勇伝を言う側の気持ちも分かります。
やはりこのエピソードも、相手との関係性によって受け取り手の対応が違ってくると思いますね。ある程度距離の近い上司なら、「その話5回目ですよ~」って冗談交じりで言えますからね。
もし冗談を言いにくい上司だったら、「そういう時代もあったんですね」と返してみるのもいいと思います。否定するのではなく、聞いている姿勢はみせる、そうすると相手も悪い気はしないから。
でも、かなり上役のかたになると、冗談で返したり、話を遮ったりするようなことはできないかも…。
吉原さんからのアドバイス
良かれと思って、過去の成功体験は言いたくなってしまうこともあるでしょう。それが部下に少しでも役に立てばと感じることもあるでしょうし、経験豊富な上司から見ると、若い社員の動きが物足りなく感じたり、伝えたい価値観があったりするのかもしれません。ただ、一人ひとりの社員もそれぞれの環境の中で仕事をしているので、押し付けているような形になると、逆に部下が自分で考えなくなり、上司に依存してしまうこともあります。もし、過去の成功体験を伝えたいと感じたら、「こんな取り組みで成功した」など、事実だけお伝えし、後は部下の判断に委ねたらいかがでしょうか。そうすることで、部下も自分で考え、必要に応じて上司に確認する関係性が作られると思います。
Episode3:その件、「知らない」「分からない」「聞いてない」です
私も後輩がいるのですが、電話、メール、打ち合わせで時間をかけて話したことを、理解していないっていうことがたまにあるんです。こういうとき、どうしたらいいのか悩んでいます。
私がよくやる対処法は、大切なことを伝えるときやお願いするときは、復唱してもらうなどして確認作業を行います。
覚えておいてほしいことは、口頭だと「言った、言わない」の揉め事になるといけないのでメールでも送った方がいいですよね。
でもメールも未読のまま放置する人っていますよね。見ていない人は大体「忙しい」を理由にすることが多い気がします。
私はそういう人に対して、メールを送ってすぐに電話をして、メールの要件について口頭でも念押しするようにしています。お願いする側も、少し丁寧に対応する必要がありますよね。
あと、このエピソードのような場合、最初に「聞いてない」ではなく、言葉のワンクッションがあるとそれだけで受け取り方が違ってくると思います。例えば、「確認します」とか「いつご連絡いただいた件でしょうか?」とか…。
どんな場面でも、言う側も、言われる側も相手の立場に立って、一旦考えてみることが大切ですが、わたしも無意識に言ってることがあるかもしれないです。。。
吉原さんからのアドバイス
「そんな指示は受けてないのに」と感じることもあると思いますが、「言った」、「言わない」の主張は水掛け論になってしまい、生産的な動きに繋がりません。例えば、未来への行動を伝えたらいかがでしょうか。「指示の認識がズレていたので、これから取り組みます。〇時までで宜しいでしょうか。」と提案してみるのもひとつです。また、明確に指示を受けたのに、忘れてしまうこともあるかもしれないので、日々、受けた業務をリスト化し、期限管理をしていくと、指示内容の認識のズレも起きにくいかもしれません。
【まとめ】
ついついあなたも日常の中で言っているかもしれない「下げことば」。今回のエピソードのように、言葉の選び方や伝え方を間違えると思わぬトラブルや誤解が発生してしまうかもしれません。より円滑なコミュニケーションをとるために、伝えたいことの要点をまとめ、明確に伝える。吉原さんのアドバイスを参考に、“上手な伝え方”を意識してみてください!うっかり「下げことば」がなくなり、より良い職場環境が少しでも増えることを祈ります。